マイクロ法人を作るとき、本店所在地をバーチャルオフィスにする人は多いと思います。私も2021年からずっとそうしています。
ただ、いざ比較しようとすると困ります。各社の料金表を並べても、そもそも「その最安プランでは法人登記ができない」というケースが普通にあるからです。月660円と月1,650円が並んでいたら安いほうを選びたくなりますが、660円のプランは登記に使えない、ということが実際に起きます。
この記事では、「マイクロ法人の登記に使う」という一点に絞って、2026年7月時点の各社の条件を調べ直しました。私自身が5年使っている当事者として、料金表だけでは分からない判断軸もあわせて書きます。
結論: 登記できる最安プランで並べるとこうなる
| サービス | 登記できる最安月額 | 郵便転送 | 初期費用 |
|---|---|---|---|
| METSオフィス | 716円(年払い・ビジネスプラス) ※月払いは1,430円 | 月1回無料 | 保証金・デポジット0円 |
| バーチャルオフィス1 | 880円(年払い) ※月払いは3,960円 | 月4回(送料は実費) | 入会金5,500円 |
| レゾナンス | 990円(月1転送・年払い) 1,650円(週1転送) | 週1 or 月1を選択 | 入会金5,500円 (無料キャンペーン中) |
| NAWABARI | 1,100円 ※表示980円は登記不可 | 週1 | 入会金5,500円 (0円キャンペーン中) |
| GMOオフィスサポート | 1,650円(月1転送) ※660円は登記不可 | 月1/隔週/週1 | 0円 |
| DMMバーチャルオフィス | 660円(年払い) ※荷物受取に制限 | 週1(実費別) | 入会金5,500円 |
ざっくりした結論としては、登記だけできればいい人は700〜900円台、郵便を毎週受け取りたい人は1,100〜1,650円が相場です。ただし転送料が月額に含まれるか実費かで実際の負担は変わります。たとえばバーチャルオフィス1は月880円で月4回転送しますが、送料は実費(50g150円〜)が別途かかる構成です。郵便が月に数通しか来ないマイクロ法人ならこちらが安く、量が読めないなら転送料込みのプランのほうが計算しやすい。ここから先は、なぜこの6社なのかと、料金以外に見るべき点を説明します。
最初に知っておくべき「最安プランの罠」

比較記事で一番伝えたいのがこれです。各社の「最安プラン」は、法人登記に使えないことがあります。
- GMOオフィスサポート: 月660円の「転送なしプラン」は住所表記のみで法人登記に使えません。登記できるのは月1転送プラン(月1,650円)から
- NAWABARI: 表示されている月980円のプランは登記不可。登記可能なプランは月1,100円から
- DMMバーチャルオフィス: 月660円(年払い)のミニマムプランは登記できますが、受け取れる荷物が「返品・返送品」「税金関連書類」などに制限されます
つまり、比較サイトでよく見る「最安660円」という数字だけを見て申し込むと、登記に使えないプランを契約してしまう可能性があります。必ず「そのプランで法人登記ができるか」を公式サイトで確認してください。
ちなみにレゾナンスは全プランで登記可能・追加料金なしなので、この点では分かりやすい部類です。
マイクロ法人が見るべき判断軸は5つ
1. 登記できるか、追加料金はかかるか
前述の通り。登記の可否はプラン単位で決まります。「このサービスは登記可」ではなく「このプランは登記可」で見てください。
2. 郵便転送の頻度(ここが実は一番重要)
マイクロ法人に届く郵便物は、そのほとんどが税務署・年金事務所・自治体からの書類です。営業DMはほぼ来ません。つまり「転送頻度が低くても困らない」ように思えるのですが、ひとつだけ落とし穴があります。
社会保険料の納入告知書です。納付期限は月末なのに、届くのは24〜25日ごろ。週1転送でもタイミング次第で間に合わず、私は実際に店舗まで取りに行ったことがあります(詳しくはこちら)。
ただしこれには解決策があって、社会保険料の口座振替に対応した法人口座を使えば、そもそも納付書を待つ必要がなくなります(法人口座の選び方はこちら)。口座振替にするなら月1転送でも十分、しない・できないなら週1転送を選ぶ、という判断になります。
3. 初期費用と契約の縛り
月額だけ見ていると見落としますが、入会金が5,500円かかる会社もあれば、0円の会社もあります。年間コストで比べてください。
契約の縛りも要確認です。GMOオフィスサポートは実質12ヶ月契約で、解約は契約満了の14日前までに申請が必要。DMMの年間・半年契約は一括前払いで途中解約しても返金されません。安さと引き換えに縛りが強くなるのは自然なことですが、知らずに契約すると身動きが取れなくなります。
4. 荷物を受け取れるか
バーチャルオフィスで受け取れるのは基本的に郵便物です。通販の返品対応や商品の受け取り拠点として使いたい場合は、プランの条件をよく確認してください。DMMのミニマムプランのように、受け取れる荷物の種類が明示的に制限されているケースもあります。
マイクロ法人の登記用途なら、書類が受け取れれば十分なことがほとんどです。
5. 拠点のエリア
「急ぎの書類を取りに行ける距離か」で選ぶ人は多いですし、私も当時そうしました。ただ5年使った実感として、店舗の近さはそこまで重要ではありませんでした。転送や当日発送のオプションでたいてい解決するからです。
むしろ「東京の住所を使いたいのか、地元の住所がいいのか」というブランディングの観点で選ぶほうが実務的です。全国に拠点があるサービス(ワンストップビジネスセンターは49拠点、Karigoは60拠点以上)は、地方在住で地元住所を使いたい人には選択肢になります。
この記事で扱わなかったサービスについて
公平のために、比較表から外した理由も書いておきます。
- リージャス、サーブコープ: 知名度は高く検索もされていますが、価格帯がマイクロ法人向けではありません。オフィス機能を本格的に使う法人向けです
- アントレサロン: 月4,180円(税込)で受付スタッフ常駐・会議室利用可と魅力的ですが、郵便転送が月2,000円+送料の別料金のため、書類を受け取る前提だと実質6,000円台になります。登記+郵便受け取りだけが目的なら割高です
- ワンストップビジネスセンター: 月5,280円(税込)と価格は上がりますが、全国49拠点・郵便転送の送料0円・30日間返金保証と、サポート面は手厚い構成です。予算に余裕があるなら候補になります
- ナレッジソサエティ: 銀行口座開設サポートに定評がありますが、入会金と保証金で初期費用が46,500円と突出しています
それから、月550円といった極端に安いサービスも存在します。ただ調べてみると、公式サイトに料金や登記可否の具体的な記載がなく、会員登録しないと条件が分からないケースがありました。登記住所は法人の信用に関わる部分なので、条件が公開されていないサービスは避けたほうが無難だと私は考えています。安さには理由があります。
キャンペーンは常にやっているので、待つ意味はない
調べていて分かったことがあります。バーチャルオフィス各社は、年間を通してほぼ常に何らかのキャンペーンを実施しています。
2026年7月時点でも、レゾナンスは入会金5,500円が無料になるキャンペーン、GMOオフィスサポートは初年度の基本料金6ヶ月無料、DMMバーチャルオフィスはプラン料金1ヶ月無料を実施していました。
私自身、2021年の契約時に「キャンペーン価格」の表示を見た記憶があったので当時のサイトを遡って確認したのですが、それは期間限定の特別価格ではなく、何年も掲げ続けられている常設の表示でした。つまりキャンペーンを待つ意味はほとんどありません。契約したいタイミングで公式サイトのキャンペーン欄を確認すれば、たいてい何かしらの割引が適用できます。
私はレゾナンスを5年使っています
最後に立場を明かしておくと、私自身は2021年からレゾナンスをマイクロ法人の登記住所として使っています。年19,800円(週1転送相当)で、大きな不満はありません。
ただし当時と今では選択肢が違います。5年前は「登記できて店頭受け取りもできて安い」という条件で選ぶとレゾナンスが有力でしたが、現在はMETSオフィス(716円)やバーチャルオフィス1(880円)のように、より安い選択肢も出てきています。正直に書くと、いま同じ条件で選び直すなら私はこの2社も候補に入れます。今から契約する人は、この記事の比較表で最新の条件を確認してから決めてください。
実際に5年使ってどうだったか、郵便物がどう届くのか、法人口座の審査は通ったのかといった実務の話は、別記事に詳しく書いています。
レゾナンス(バーチャルオフィス)の公式サイトで最新プランを見る![]()
まとめ
- 比較は「登記できる最安プラン」で行う。表示上の最安が登記に使えないケースが複数ある
- 登記だけなら700〜1,000円台、郵便を週1で受け取るなら1,650円前後が相場
- 転送頻度は社会保険料の納付方法とセットで考える。口座振替にするなら月1転送でも足りる
- 初期費用と契約の縛り(途中解約の可否)を月額と合わせて確認する
- キャンペーンは常時やっているので、待たずに契約時に確認すればよい
マイクロ法人そのものの作り方は設立の実録に、維持費全体の内訳は年16万円の内訳にまとめています。
参考(各社公式サイト): レゾナンス / GMOオフィスサポート / DMMバーチャルオフィス / ワンストップビジネスセンター / アントレサロン(いずれも確認日2026-07-29)
※本記事は2026年7月29日時点の各社公開情報および筆者の利用体験に基づきます。料金・プラン内容・キャンペーンは変更される場合があります。契約前に必ず各社公式サイトで最新の条件をご確認ください。特に「そのプランで法人登記が可能か」は申込前に直接ご確認いただくことを強くおすすめします。