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会計・税金

freee会計をマイクロ法人で5年使った本音レビュー|年72,116円は高いか、税理士なしを支える保険か

シャチョー

ひとり社長ラボの筆者。2021年からマイクロ法人(合同会社)を運営する現役ひとり社長。個人事業との二刀流を、実額と実録で記録しています。

「freee 法人 評判」で検索する人が本当に知りたいのは、機能一覧ではないと思います。年いくらかかって、それを払い続ける価値があったのか。私が知りたかったのはそこでした。

2021年に合同会社を作ってから5年、freee会計を法人の会計ソフトとして使い続けています。税理士は雇っていません。決算も法人税の申告も自分でやっています。その立場から、実額も、値上げの推移も、弱点も、他社と比べて最安ではないという事実も含めて書きます。

結論: 会計ソフトとしてではなく「freee申告」のために契約している

5年使った結論を先に言うと、私にとってfreeeの価値の8割はfreee申告(法人税の申告書を作るオプション)にあります。日々の記帳の使い勝手ではありません。

理由は単純で、マイクロ法人の記帳作業は月に数件しかないからです。そこの効率がどれだけ良くても、年間で浮く時間はたかが知れています。一方で法人税の申告は、ひとり社長が自力で越えられるかどうかが分かれる本当の壁で、ここを突破できるかどうかが年間十数万円の税理士報酬を払うかどうかを決めます。私はその一点でfreeeを選び続けています。

前提: 誰の話なのか

会計ソフトの評価は事業規模でまるごと変わるので、先に条件を出しておきます。ここから外れる人には、この記事の結論はそのまま当てはまりません。

  • 都内の合同会社、5年目。役員は私ひとり、従業員なし
  • 個人事業(メディア運営)との二刀流。法人側は業務委託1本
  • 法人の取引は月に数件〜十数件。請求書の発行も月1回程度
  • 税理士なし。記帳も決算も法人税申告も自分でやる
  • 設立手続き自体もfreee会社設立を使った(その実録はこちら)

マイクロ法人の記帳は月に数件。だから機能比較はほぼ意味がない

会計ソフトの比較記事を読むと、AI仕訳の精度、レポートの豊富さ、部門別会計、承認ワークフロー……といった項目が並びます。マイクロ法人の実務で、これらが効いた場面は5年で一度もありませんでした。

私の1ヶ月の入力は、だいたいこれだけです。

  • 売上の入金1件
  • 役員報酬の振込と、それに伴う源泉所得税・社会保険料の処理
  • 経費数件(通信費、バーチャルオフィス代など)

銀行口座を同期していれば、月末に10分ほど画面を見て登録ボタンを押すだけで終わります。この規模なら、どの会計ソフトを選んでも記帳作業では困りません。だから実質的な検討事項は「一番安いプランで足りるか」だけになります。答えは足ります。私は5年間ずっと法人向けの最安プランです。

逆に言うと、ここが会計ソフト選びで一番お金を無駄にしやすいポイントでもあります。従業員がいる会社向けの記事を読んで上位プランを選んでしまうと、使わない機能に年数万円を払うことになります。freeeの場合、ひとつ上のスターターは月5,480円(税抜)なので、プランを1段間違えるだけで年3万円ほど変わります。

実額: 年72,116円払っている(2026年7月時点)

私が毎年freeeに払っている金額です。金額は2026年7月31日に公式サイトで確認し直しました。

項目年額(税込)公式サイトの表示
freee会計 ひとり法人プラン(年払い)39,336円月2,980円(税抜)・年払い
freee申告 スタータープラン32,780円29,800円(税抜)/年
合計72,116円freee申告はfreee会計の有料プラン契約が利用条件
公式サイトは税抜表示のため、税込額は筆者換算。

正直に言えば、この金額は安くはありません維持費全体(年約16万円)の4割強を占める、最大の変動費です。法人住民税の均等割7万円と違って、こちらは自分の選択で減らせるお金なので、毎年「本当に払う価値があるか」を考えることになります。

値上げの推移と、2026年の状況

契約中に体験した値上げも書いておきます。ひとり法人プランは2024年7月の改定で現在の年39,336円になり、freee申告は2025年に27,280円から32,780円へ上がりました。2年続けて上がった格好です。

ただし2026年7月時点では、どちらもそこから据え置かれています。公式サイトの価格表示が税込から税抜に変わっているので一見安くなったように見えますが、税込に直すと実額は動いていません。この手の表示変更は比較記事が古い数字のまま放置される原因になるので、契約前はご自身で公式サイトを開いて確かめてください。

クラウド会計は「一度乗せたら動かしにくい」性質があるので、値上げは今後も想定しておいたほうがいいと思っています。私は毎年の更新前に、他社に移った場合の総額を必ず計算し直すようにしています(その結果は後半に載せます)。

本題: 法人税申告の「書類十数枚」を、freee申告がどう埋めたか

ここが、私がfreeeを続けている理由そのものです。

設立前、私は法人税の申告を完全に舐めていました。「個人の確定申告ができるんだから、調べればなんとかなるだろう」と思っていた。実際に1年目の決算期を迎えて、必要な書類が別表一、別表二、別表四、別表五(一)……と十数枚あることを知って青ざめました。しかも法人の実態や資金の動かし方によって必要な別表が変わるので、「この通りに書けば終わる」というテンプレートがネット上にほぼ存在しません。

freee申告を契約して実感したのは、この書類群の9割方が、freee会計に入力済みのデータから自動で埋まるということでした。自分で判断して手を入れたのは残りの1割です。これが「税理士に頼まない」を成立させている実質的な条件だと思っています。

それでも1年目は、自動で埋まった数字の意味を理解するために丸一日溶けた日が何度もありました。freee申告は「申告が分かる人」にしてはくれませんが、「申告を終わらせる」ことはできます。この違いは正直に書いておきたいところです。

「3年目からは自力でも」と言われて、5年目の今も契約している

2年目のとき、freeeのサポートスタッフから「2年目の申告書を手元に置いておけば、3年目からはそれを参考にご自身でも作れますよ」という趣旨の助言をもらいました。実際、2年目の作業量は1年目の1/3以下に減っていたので、その気になれば移行できたと思います。

それでも5年目の今も契約しています。理由は2つです。

  • 税制は毎年変わる。前年の申告書を丸写しできる保証がないし、改正を自分で追い切る自信がない
  • 年に1回しかやらない作業なので、毎年ゼロから思い出すことになる。慣れが蓄積しにくい

つまり私にとってのfreee申告は、会計ソフトのオプションというより「申告を間違えないための保険」です。年32,780円が高いか安いかは、税理士報酬(法人の決算・申告だけでも年十数万円が相場)と比べるか、自力でやる場合の調べ物の時間と比べるかで変わります。私は税理士なしで5年回しているので、この出費は「税理士を雇わないための費用」として計上しています。

弱点も書く

1. 銀行との連携は、ある日止まることがある

クラウド会計の便利さの土台は銀行口座の自動同期です。そしてこの同期は、会計ソフト側と銀行側の合意で成り立っているので、片方の都合で止まります。

実例があります。freeeと楽天銀行の連携は2022年2月に停止し、再開したのは2023年12月。約1年10ヶ月のあいだ、楽天銀行をメインにしていた事業者は明細を手入力するしかありませんでした。

私自身は法人口座の審査で楽天銀行に落ちていたので、この件の直撃は免れました(口座審査に落ちた話はこちら)。運が良かっただけです。ただ、この一件から考え方がひとつ変わりました。「使いたい銀行に会計ソフトを合わせる」のではなく、「会計ソフトが安定して連携できる銀行を選ぶ」。ひとり社長にとって、月次の記帳が手入力に戻るのは想像以上の負担です。口座を決める前に、使う会計ソフトの連携先一覧を見ておくことをおすすめします。

2. 二刀流だと、会計ソフト代が二重になる

これはfreeeというより二刀流の構造的な問題ですが、実際に払っているのは私なので書きます。

マイクロ法人+個人事業の二刀流では、法人の会計と個人の確定申告で、別々に会計ソフトが要ります。社会保険料を下げるための二刀流なのに、その分ソフト代が積み上がる。やってみるまで気づかなかった不満です。

私の対処法は身も蓋もなくて、個人事業側は確定申告をする1ヶ月だけ契約するという運用です。月額契約にして、年間分の記帳をその月にまとめて入力し、申告を終えたら解約する。年契約より大幅に安く済みます。ただし1年分の領収書とデータを溜め込むことになるので、期中に「今いくら儲かっているか」が分からないという副作用があります。個人事業側でも年内に節税判断をしたい人には向きません。

3. 「安いから」で選ぶなら、freeeではない

次の比較のとおり、記帳のための会計ソフトとして見るとfreeeは3社の中で一番高いです。この点をぼかす気はありません。

弥生・マネーフォワードと比べてどうなのか

毎年の更新前に私が実際にやっている試算です。ポイントは、比べるべきが会計ソフト単体の月額ではなく「記帳から法人税の申告書作成まで終わらせるのにいくらかかるか」の総額だということ。ここを会計ソフトの価格だけで比べると判断を間違えます。

構成会計ソフト(年・税込)申告ソフト(年・税込)合計
freeeひとり法人 39,336円freee申告スターター 32,780円72,116円
マネーフォワードひとり法人 32,736円法人税の達人 Standard 40,810円73,546円
弥生弥生会計 Next エントリー 38,280円単体では作成不可(達人シリーズ等へ連携)38,280円+申告手段
2026年7月31日に各公式サイトで確認。各社とも税抜表示のため税込は筆者換算。「法人税の達人」はNTTデータの製品で、マネーフォワードの自社製品ではありません。

会計ソフト単体で見れば、最安はマネーフォワードのひとり法人プラン(32,736円)です。freeeは3社で一番高い。ところが申告書作成まで含めた総額はfreeeとマネーフォワードでほぼ横並びになります。差は年1,430円。この程度の差なら、価格は決め手になりません。

弥生については、私が以前「最安」と書いていた弥生会計 オンライン(セルフプラン)は2025年4月7日で新規契約の受付が終了しています。現行の後継は「弥生会計 Next」で、エントリープランが年34,800円(税抜)。そして公式のQ&Aを読むと、Next単体では法人税の申告書を作れず、税理士向けの「達人シリーズ」へデータを取り込む案内になっています。つまり「会計ソフトが最安=総額も最安」ではないということです。

この結果を見て、私は今年も乗り換えませんでした。総額がほぼ同じなら、記帳から申告書までを1つのサービスの中で完結できることのほうが、ひとり社長には効くと判断しています。データの受け渡しでつまずく余地が少ないぶん、年1回しかやらない申告作業での事故が減ります。

なお、会社の「設立ツール」としてのfreeeとマネーフォワードの比較は別記事で詳しく書きました。設立時に使うツールと、その後5年使う会計ソフトは別々に考えていい、というのが私の立場です。

向いている人・向いていない人

5年使った実感としての線引きです。

向いている人

  • 税理士を雇わず、法人税の申告まで自分で終わらせたい人。これが最大の適性
  • 簿記の知識がない人。仕訳の形ではなく「取引の内容」から入力していく設計なので、初学者ほど恩恵が大きい
  • 設立手続きもfreeeで済ませた人。データを引き継げるぶん初期設定が楽

向いていない人

  • すでに税理士に依頼している/これから依頼する人。申告書は税理士が作るのでfreee申告の年32,780円が丸ごと不要になります。この場合は税理士の指定ソフトに合わせるのが正解
  • 簿記の知識があって仕訳を自分で切りたい人。freeeの入力思想が回りくどく感じるはずです
  • 維持費を1円でも削りたい人。記帳だけなら他社のほうが安く済みます

まとめ

  • マイクロ法人の記帳は月に数件。会計機能で選ぶ意味はほぼなく、最安プランで足りる
  • 私が年72,116円を払い続けているのは、freee申告が法人税申告の書類十数枚の9割を自動で埋めてくれるから。税理士を雇わないための費用として計上している
  • 弱点は、銀行連携が止まるリスク、二刀流でのソフト代二重、そして記帳だけなら最安ではないこと
  • 申告書まで含めた総額はマネーフォワード構成とほぼ同額。だから「自力で申告するかどうか」を先に決めてからソフトを選ぶのが順番として正しい

freee会計には無料お試し期間があります(2026年7月時点は30日間)。マイクロ法人なら最安の「ひとり法人プラン」で足りるので、実際の画面を触ってから決めるのが確実です。

まずは無料でお試し【freee会計】

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参考(公式情報・いずれも確認日2026-07-31): freee会計 料金プラン / freeeヘルプセンター「【法人事業所向け】freee申告のプランについて」 / マネーフォワード クラウド会計 料金 / 弥生会計 Next / 弥生「弥生会計 オンライン」新規ご契約受付終了のお知らせ / 達人シリーズ 価格(NTTデータ)

※本記事は筆者個人の体験(2021年〜)と2026年7月時点の公開情報に基づく一般的な情報提供であり、税務・法務の助言ではありません。料金・プラン内容は改定されるため、契約前に必ず各社公式サイトで最新の料金をご確認ください。個別の判断は税理士等の専門家にご相談ください。

  • この記事を書いた人

シャチョー

ひとり社長ラボの筆者。2021年からマイクロ法人(合同会社)を運営する現役ひとり社長。個人事業との二刀流を、実額と実録で記録しています。

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